59 海外作家の本(イギリス)

2016.08.28

イーヴリン・ウォー本尽くし

20160726_0janie イーヴリン・ウォー熱が高まって、7月8月、夢中でひたすら読んだ。読むほどにその心を虜にする、イーヴリン・ウォー作品。あきることを知らずに、(物理的な意味合いで)読めるだけ読んだ、現時点の私の思いを此処に。もっと読んでみたい。もっともっと読んでみたい。読むほどにそんな気持ちがわき上がる読書だった。

*

・イーヴリン・ウォー『イーヴリン・ウォー傑作短篇集』 (エクス・リブリス・クラシックス)

 二重三重にも巡らせた皮肉や人間のおかしみが深く後を引き、心離さない。そうしてそれらはときに悲しみを滲ませる。「ベラ・フリース、パーティーを開く」での人生最大の高揚を夢見た果ての混乱や虚しさ、やりきれない死にまで見る滑稽、「ラヴデイ氏のちょっとした遠出」でのひたひたと押し寄せる不気味な狂気に見る正常と異常の狭間の危うさ、「勝った者がみな貰う」での兄に肩入れする母親と兄と弟の構図に根深く横たわる切なる悲しみなど、どこまでも冴え渡る人生の皮肉は、著者自身の人生の成り立ちやその心に在った思いを巡らせ、魅せた。

456009909Xイーヴリン・ウォー傑作短篇集 (エクス・リブリス・クラシックス)
イーヴリン・ウォー 高儀 進
白水社 2016-07-09

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・イーヴリン・ウォー『一握の塵』(彩流社)

 誰が悪いわけでもない。その視点は、穏やかに思えていた暮らしが悲劇の方へ向かおうとも、その中に人間の備えた魅力を感じさせる。善良の人に終わらない。それぞれの報われない愛の中で、そこにある孤独はどうしたって埋まらずとも、関係の破綻さえそのままにしない。運命に足掻こうとする懸命な生き方に、惹きつけられずにいられない。もうひとつの結末が加えられたことで、いっそう人生というものの儚さや、そこにある悲しみは深く感じられる。あったかもしれない人生の濃さの分、やがて誰もが一握の塵になる運命を思って、切なく溜息をつくのだ。

4882024195一握の塵
イーヴリン ウォー Evelyn Waugh
彩流社 1996-10

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・イーヴリン・ウォー『ピンフォールドの試練』 (白水Uブックス)

 声に次ぐ声。姿なき敵。どこまでも翻弄され、心引き裂かれんばかりの嫌悪と憤激がひたひたと押し寄せる。人間の奥深くにある醜さや悪意を顕わにする下等な遊戯の果てにたどり着く物語は、小説家の内面をこえて、著者その人の心の内を近くに思う。何処から何処までその心が耐え得るか。その限界とその果て。思えば、すべては危うくそう在るのかもしれない。ピンフォールド氏に限らず、此処にこうして過ごす誰もかれも皆、多かれ少なかれ置かれている日常、その人生は地続きで足をすくわれる。巡らせばもう、すべての人生は皮肉に満ち、物語になる。

4560071969ピンフォールドの試練 (白水Uブックス)
イーヴリン ウォー 吉田 健一
白水社 2015-01-07

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・イーヴリン・ウォー『回想のブライズヘッド』(岩波文庫)

 人の精神を形作るもの。それを支えるすべ。物語に巡る心に在る苦悩の行方や密やかに根付く信念を感じるほどに、生き方の示す本質を思う。青春の倦怠を伴い、ときに自分を恥じ入り、暗い影を纏ってゆく過程は、どこか破滅へと向かう美意識を抱かせる。思い出されるブライズヘッド邸とその一族の姿は、その始まりはどうあれ、崩壊に至る悲劇の中の一役を語り手も確かに演じていた。“古昔ハ人ノミチミチタリシ此都邑イマハ凄シキ様ニテ坐シ。伝道者曰く、空の空、空の空なる哉、都て空なり”言葉はすべてを語り尽くせなくとも、奥底に溢れる心を思う。

4003227727回想のブライズヘッド〈上〉 (岩波文庫)
イーヴリン ウォー Evelyn Waugh
岩波書店 2009-01-16

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4003227735回想のブライズヘッド〈下〉 (岩波文庫)
イーヴリン ウォー Evelyn Waugh
岩波書店 2009-02-17

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・イヴリン・ウォー『ガイアナとブラジルの九十二日間』 (海外旅行選書)

 ただ旅するのではない。地面を這いずり回ることで知る地方がある。その地に住む人々に流れる血を実感として知るのは、旅で起こる出来事と直面し、出会う人々の生き方を知るゆえなのなのだろう。重ねてゆく経験、その苦労や逡巡が本来の旅の味わいだと、著者は力を込める。そもそもの目的も無きに等しく、地図も役に立たないほどの、ルートの変更に次ぐ変更。予定すらも曖昧なまま、旅の途中で調べを進めるという気の向くままの旅にしては、あまりにも過酷な探検の趣の旅路へと著者を駆り立てたものを巡らせば、何だかすべてが愛おしく思えてくる。

4809907031ガイアナとブラジルの九十二日間 (海外旅行選書)
イヴリン ウォー Evelyn Waugh
図書出版社 1992-05

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・イーヴリン・ウォー『大転落』(岩波文庫)

 罵詈雑言を心の中でつぶやくことすら不慣れなポールが、次々巻き込まれて辿る道が、ユーモアと皮肉を交えて展開してゆく。おかしいくらいに賑やかに、自分を主張して立ち回る周囲の人々に対して、ポールは静の人に思える。成り行きを見守る姿勢は、物語の主人公の位置すら途中危うくなるほどで、そのことまでもつぶさに描いてしまう著者の視点の自由さに、思わず何度もくすりと笑みがこぼれる。気がつけば、どんな状況下にあっても、ポールはポールとしてそこにいる。まるで物語がまだ始まっていなかったように、すべてを受け入れ、佇んでいる。

4003227719大転落 (岩波文庫)
イーヴリン・ウォー 富山 太佳夫
岩波書店 1991-06-17

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・イーヴリン・ウォー『愛されたもの』(岩波文庫)

 イギリス人の経験としてのアメリカ。その視点にある皮肉がいつまでも響く。そうしてそこに“愛されたもの”という言葉の意味する響きの悲哀と儚さが重なる。全体を漂い、貫かれてゆく著者の鋭い諷刺を込めた視点や死生観は、デニス、エイミー、ジョイボイの三角関係をどこか淡く遠くに思わせるほど、色濃く感じられた。すべてはイギリス人であるデニスが感じたアメリカ。サー・フランシスの悲劇は、その一部。端々に登場する詩は、そこに在ることの一部。かつて愛したものを待つ、その時間すらも経験の一部でしかない気がして、切ない余韻が巡った。

4003227743愛されたもの (岩波文庫)
イーヴリン・ウォー 中村 健二
岩波書店 2013-03-16

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・イヴリン・ウォー『ヘレナ』(文遊社)

 読まれるための物語がここに在る。立ち現れるヘレナは、次第に聖ヘレナ然としてくる。そこにある時の流れも環境も起きた出来事も、思えばすべてはヘレナをヘレナたらしめるものだ。“千年もたった後には何をどう信じるものでしょうか?”巡らせば、語り継がれる伝説を信じるも信じないも、何を正しいとするも、私たち自身に委ねられている。すべての歴史には不可解な空隙があり、埋まらぬことがある。当時何が起こったのか、すべてを知るすべはない。けれどそれでも描くということ、それでも信じるということ。つまりは希望だと確かに思うのだ。

4892570869ヘレナ
イヴリン・ウォー 岡本浜江
文遊社 2013-08-09

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・イーヴリン・ウォー『卑しい肉体』 (20世紀イギリス小説個性派セレクション)

 同じ場所に留まらず、とにもかくにも動き続ける人々が次々立ち現れる物語は、始まりに置かれた『鏡の国のアリス』の女王の言葉に、はっと立ち返らせる余韻を残してゆく。中心に描かれるのは、これといった特徴のない、ただただ退屈を恐れているような面々。アダムにいたっては過去さえも奪われて、どこか現実味のない陽気さと若さが始終漂う。何度も繰り返し結婚を見送る掴み所のなき恋人との関係も、大金を得ては失う愚かさも、人を惑わすが如く記事も、繰り広げられるとぼけた会話も、すべては“続ける”という一端、愛しき切なる要素に思えた。

4404042450卑しい肉体 (20世紀イギリス小説個性派セレクション)
イーヴリン・ウォー 横山 茂雄(責任編集)
新人物往来社 2012-09-12

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・イーヴリン・ウォー『スクープ』 (エクス・リブリス・クラシックス)

 同じブートという人違いゆえに、海外特派員に仕立てられてしまったウィリアムの巻き込まれてゆくジャーナリズムの世界の報道合戦と、それを待つ人々や上流階級の人々、彼を利用しようと企む人々のドタバタが、ユーモアと風刺を込めて展開されてゆく。随所に挟まれる皮肉は何度もくすりときて、頁を捲る手を逸らせる。状況や人々に翻弄されているように思えたウィリアムが、起こる出来事一つ一つに折り合いをつけ、静かに将来を見据えて自分の人生を歩んでいることが伺える箇所に出会うたび、この喜劇物語の深みと人間の本質を巡らせていた。

4560099073スクープ (エクス・リブリス・クラシックス)
イーヴリン・ウォー 高儀 進
白水社 2015-05-19

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*

20160827_40bob こうしてイーヴリン・ウォーの作品を何冊も読んでみると、その人生や、そこから生まれる皮肉、作品の幅の豊かさに、続けて読んでもあきることなく、すっかり魅了されていた。喜劇悲劇が表裏一体の作品はもちろん、それだけに終わらぬ描き方、がらりと作風を変えてゆく作品もまた、とても味わいがある。心情を詳しく描かずとも、人物を生き生きと読み手に伝えるところにも、書き手としての力、その魅力を読むほどに強く強く思うのだった。

*

Thank you for reading.

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2012.03.06

王国のない王女のおはなし

20110721_4009jpg_effected 上質なおとぎ話を読んだような、やわらかく甘い気持ちの読後感を味わった、アーシュラ・ジョーンズ文、サラ・ギブ絵、石井睦美訳による『王国のない王女のおはなし』(BL出版)。王国のない王女、という設定だけでも驚きの型破りのお話だけれど、彼女の持ち物はプリティという名前の子馬と、その子馬が引く荷台だけ、という点も型破り。ポストに入らないようなやっかいな荷物を運んで、少しばかりのお金を稼いで、どこかにあるはずの自分の王国をさがして旅している王女のお話である。周囲も王国がなくても礼儀正しい彼女を“プリンセス”として認めてはいるのだが、決して最高のもてなしをするのではなく、必ず二番目に上等なもので歓迎する。ちょっと見下された王女のお話なのである。

 この王女プリンセスは、自分の欲しい物を手に入れるために、積極的に行動しているところがとても共感が持てる。他力本願の夢物語とは違うのである。働いて、頭を使って、自分の願いを叶えようと努力を惜しまない。現代を生きるプリンセスのお手本のような、そして、それはプリンセスではないわたしたちにも通ずる何かを思わせてくれる。たとえ、どれほどまでに見下され、失礼に扱われようとも、自分の目標や夢を見失わずにまっすぐ前を見つめている姿は、真のプリンセスと言うべきかもしれない。物語の展開は思わぬところに行き着くけれど、ありきたりではない結末がなんとも幸福そうなところは、やはり安心のハッピーエンドで、ほっと安堵する。

 繊細で美しいサラ・ギブの絵は色鮮やかなページと、シルエットのみで描く影絵のようなページとで書き分けられている。とりわけ、シルエットのみの絵での効果的なピンク色や赤色の使い方が素晴らしく美しく、むしろシルエットだけのほうがより人物の内面を描き出しているようでもあり、そっと物語に寄り添う。甘い色使いなので、女性好みの絵本なのだが、決して甘すぎるということはない。物語自体が古典的なシンデレラストーリーとは違っている点もとてもよいのだが、訳文の丁寧な言葉遣いも、どこか品があってとても心地よいのが印象的である。王女プリンセスの気品と穏やかさが絵本全体から漂ってくるようでもあり、読んでいてとても幸福な気持ちに浸れる。

 物質的な豊かさを求めがちな現代社会や、裕福さを強調するかつてのシンデレラストーリーとは一味もふた味も違う結末が、とてもいい。人と運命的に出会うこと、そして心が豊かであること、それらの尊さを諭してくれるような、そんな一冊なのだ。既存の価値観にとらわれない、新しいプリンセスのかたちがここには描かれている。可愛らしい表紙に誘われるようにして手に取った絵本だったのだが、思わぬところで本当の意味での幸福を教えられたような気もした。ここかしこ、いたるところに、わたしたちの幸福はあるのだということ。そして、それは思わぬところに転がっているということ。それに気づくことのできる者だけが、きっと本物の幸福を手にするのかもしれない。

4776404893王国のない王女のおはなし
アーシュラ ジョーンズ サラ ギブ
BL出版 2011-10

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2010.01.29

お菓子と麦酒

20090218_021_2 想うは、最愛の人。いつでも鮮やかに蘇る記憶の数々を、そっと胸に仕舞い込む。忘れ得ぬ人を。色褪せぬ人を。変わらぬ想いが過去と今とを繋いでいる。過去のわたし。今あるわたし。その狭間にゆらりといる最愛の人。いつの日にも輝ける、愛おしい人。サマセット・モーム著、厨川圭子訳『お菓子と麦酒』(角川文庫)は1930年、モームが56歳のときに発表された物語である。最愛の女性をモデルに、風刺や批評を交えて描いたという。過去の想い出の回想と現在進行している話とが織りなして、巧みに文学論や作家論などが自由に挿入されている。その語り口は、読み進めれば進めるほどに読み手を惹きつけて離さない。また、愛おしい想いを懐かしむような、あたたかさが感じられる。

 物語の主人公は作家のウィリー・アシェンデン。亡くなった文豪エドワード・ドリッフィールドの伝記を書くことになったアルロイ・キアから、ドリッフィールド前夫人ロウジーと暮らしていた頃の資料提供を頼まれる。若き日のドリッフィールド夫妻と親交のあったアシェンデンは、当時の記憶を手繰り寄せ、その想い出に浸ってゆく。ドリッフィールドの回想録といったおもむきから、いつしか物語はその前夫人ロウジーの魅力を語り尽くす展開へ。ドリッフィールドにとってロウジーという女性がどれほど大きな存在であったか。そして、語り手のアシェンデンにとっても彼女が大きな存在であったことが伺える。その奔放な生き方と無意識に男性を惹きつけてしまう才能に魅了される。

 特別に美人であるわけでもないのに人を惹きつけてゆくロウジー。優しく、無邪気で、誠実。純粋で、善良で、悪気がまったくない。語り手を含めた男性たちと次々と関係を持ち、誰にでも惜しみなく愛を与える…という点では、どうかするとお手軽な安い女になりがちなところを、モームは何とも明るいタッチでさっぱりと描いている。そのせいか、どちらかというとロウジーよりもむしろ彼女に擦り寄ってしまう男性こそがお手軽な存在のようにも思えてくる。ロウジーは彼女に魅了される男性たちよりも、ずっとずっと上手といったところだろうか。普通の道徳的観念では許されない悪女かもしれないが、もはや、あっぱれと言わざるを得ないところがある。女は強し、と思ってしまう。

 題名になっている“お菓子と麦酒”は、シェイクスピアの戯曲「十二夜」の台詞によるもの。人生を楽しくするもの、気ままな生活を代表する語であるという。おそらくロウジーのこと、彼女の生き方をさしているとされる。けれど、一女性としての生き方をさしているのだとすれば、少しばかり古臭く差別的な印象もある。ロウジーからすれば、男たちこそが“お菓子と麦酒”。男たちは彼女の尻にしかれている。今の世も昔の世も、女たちは男たちが想っているよりもずっとずっと逞しいのかもしれない。そのしなやかなしたたかさを発揮して、女たちは男たちを手のひらで転がすのだ。ロウジーとまではいかないにしろ、たった一人の想い人を。想うは、最愛の人。ただそれだけでいい。

4042973019お菓子と麦酒 (角川文庫)
厨川 圭子
角川グループパブリッシング 2008-04-11

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2009.02.16

肩胛骨は翼のなごり

20090214_4004 すーっと心が洗われて、ひたひたと何かを残してゆく。染み入ってゆくのは夢とも現実ともつかぬような不思議な心地。すべてが夢だったのか。それともすべて本当の出来事だったのか。ぼんやりした気持ちを抱えたまま思うことはただひとつ、“嗚呼、甘(うま)し糧”ということ。こういう物語こそ、わたしの糧となるのだということ。デイヴィッド・アーモンド著、山田順子訳『肩胛骨は翼のなごり』(創元推理文庫)には、子どもの頃思い描いたような夢の世界が広がっている。夢か幻か。はたまた現実か。透明感に満ちた文体と繊細な描写で綴られる物語は、読み手の遠い日の記憶を呼び起こし、童心に返らせる。すべてを信じ、すべてを夢見て、絶望を知らなかったあの懐かしき日々のことを。

 新しい家に引っ越してきたばかりの10歳のマイケル。サッカーと作文の得意な少年だ。引っ越したと言えども転校する必要もなく、バス通学に冒険心を掻き立てられる日々が始まるはずだった。けれど、生まれたばかりの赤ん坊の妹は重い病気を抱えて入退院を繰り返し、両親やマイケルの気持ちを悲しみにくれさせた。引っ越してきたばかりの家には古いガレージがあり、ある日マイケルは立ち入りを禁じられていたにもかかわらず、足を踏み入れ、そこでクモの巣や青蝿の死骸にまみれた不可思議な生き物を見つける。テイクアウトの中華料理とアスピリンとブラウンエールを要求する彼(スケリグ)の命を助けようと、隣人の風変わりな少女ミナと共に奮闘してゆく様子を描く物語である。

 この少女ミナが、何とも魅力的な人物である。“学校教育は子どもの自然な好奇心や、創造性、知性を抑制する”と考えている親の元に育ち、木登りが得意。鳥にめっぽう詳しく、絵がとびきり上手。そして、物語の端々でウィリアム・ブレイクの詩を朗読するのだ。ありきたりな常識にとらわれない彼女の存在は、生命力に満ち溢れ、この物語にとってはなくてはならない存在と言えるだろう。もちろん、少女ならではの幼い部分もときどき垣間見られ、何とも可愛らしい。妹の病状を案じ、スケリグを助けたいというマイケルの力強い相棒となるのである。ふたりの真っ直ぐな目が見たスケリグの存在は、様々な困難な状況下で物事を静かに見る目を持つことを教えてくれているようにも感じられる。

 スケリグ。一体、彼は何者だったのか。謎めきは謎めきのまま物語は進んでゆく。スケリグは人間の姿形をした生き物ながら、翼を持つ生き物。天使のような、それでいて悪魔のような、俗っぽさも秘めた、まさに“不可思議な存在”である。様々な物事に疲れた現代人の心の内面を象徴したような、スケリグ。夢か幻か。はたまたすべてが現実に起こったことなのか。その曖昧模糊とした部分にこの物語の魅力があるように思う。そして、マイケルという少年の目を通じて描かれるこの物語が煌めいているのは、弱き存在や小さきものへのあたたかなまなざしと、慈しみ、友情、家族の絆などが描かれているからでもある。このひたひたした読後感をいつまでも大切にしまっておきたい。

4488543022肩胛骨は翼のなごり (創元推理文庫)
デイヴィッド アーモンド David Almond
東京創元社 2009-01-22

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≪デイヴィッド・アーモンドの本に関する過去記事≫
  ・『ヘヴンアイズ』(2007-10-24)


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2009.01.15

あなたの悲しみをわたしに―ある若き楽師の物語

20081231_022 やりきれない心の痛みをほどくすべ。それをこの世に生まれ落ちた瞬間から備えていたならば、人はあまり苦悩せずに済むかもしれない。生きづらさを知らずに、もっとゆうるり穏やかに日々を過ごせているかもしれない。あたり前のように流す涙も、笑顔に圧倒されて乾いてしまうかもしれない。けれど、不器用につくられたわたしたち人間は、笑う日もあれば嘆く日もある。忙しなくめまぐるしい感情の起伏に悩みながら、それでも前を見据えなくてはならないのだ。生きよ。そうたぶん、生かされていることには少なからず何らかの意味があって、命じられるままに生きるしかないのだろう。残酷にも時は流れて、止まることをしらない。だからわたしたちもきっと一所には留まってはいられない。

 メアリー・ジョスリン原作、間所ひさこ文、東逸子画『あなたの悲しみをわたしに―ある若き楽師の物語』(女子パウロ会)を読み終えて、そんなことを思った。十六世紀を舞台にした、名前を仮にアーサーとした一人の若者の物語である。戦のおしまいまでヴァイオリンを奏でて、兵士たちの心を豊かにする調べを聴かせることを生業としていた楽師のアーサーは、帰郷する親友に愛する恋人への言葉を託す。けれど、ようやく故郷に戻ってみたとき、アーサーはもはや死んだものとされており、恋人は彼の親友と結ばれていたのだった。愛する人を思うアーサーはひっそりと異国へと旅立ち、遠い国で悲しい調べを奏でるのだった。そんな時、その国の王様に自分の悲しい物語を聞いてもらえることになる。

 この物語のテーマとしたら、たぶん“人はいかにして救われるか”というものだろう。悲しみにくれるアーサーの心の痛みを、身分など関係なしにわかろうとした王様。でも、何かを言うのではなく、ただただアーサーの言葉に繰り返し耳を傾け続けたという、今の時代にもどこか通ずるような、心の再生の過程を描いている。アーサーの心が少しずつほどけてゆくとき、ほんのりと読み手の心まであたたかくなるのは、物語の持つしなやかさとリズム感のある文体の翻訳と、繊細なタッチで描かれた数々の画ゆえのものだろう。そして、アーサーという主人公の人間らしい心遣いと愛情と深い悲しみ、王様のひたむきな本物のやさしさは、美しい装丁のこの一冊にふさわしいものであるように感じられる。

 ただより添って、黙って話を聞く。無償でただ相手を思いやる。繰り返しおんなじ話をしても、嫌な顔ひとつせずに寄り添う。そんな相手(他人)をわたしはいまだにしらない。人間は強さを秘めつつも弱いから、無償でこの物語のような心の再生の過程を体験することはできないかもしれないと思ってしまう。飽きもせずにアーサーの悲しみに寄り添って、共に月日を重ね、やがて解き放たれたのちも傍にいる。そこまでの思いを抱ける王様の心の偉大さと、堪えていた気持ちを吐き出したアーサーに、わたしは頭を垂れるしかない。どちらの立場であろうとも、互いの心の領域に勇気を出して踏み込むことには変わりないからだ。それはひどく不器用にできているわたしたちには、かなりの難題である。

4789605388あなたの悲しみをわたしに―ある若き楽師の物語
Mary Joslin
女子パウロ会 2001-06

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2008.05.09

ヨハネスブルクへの旅

20070421_004 学ぼうとしなければ知り得ないことが、この世界にはあふれている。もちろん、知りたくても知り得ないこともあふれている。知らなければならない、目を背けてはいけない事柄はたくさんあるのに、ちっぽけなわたしはその多くを知らないまま日々をのらりくらりと生きてしまっているような気がする。ビヴァリー・ナイヴァー作、もりうちすみこ訳、橋本礼奈画『ヨハネスブルクへの旅』(さ・え・ら書房)に描かれるアパルトヘイト体制下の南アフリカの暮らしもまた、そんな学ぼうとしなければ知り得ないことの一つだろう。時が流れてもなお、拭い去ることのできない世界史における悲劇の傷跡は、そこに暮らす人々の中に深く刻まれているに違いない。

 物語の舞台は、アパルトヘイト(人種隔離政策)下の南アフリカ共和国。重い病気にかかった赤ん坊の妹を助けるために、姉のナレディと弟のティロは三百キロも離れたヨハネスブルクへ、住み込みで働く母親を連れに行こうと決意する。それまで黒人居留地の中での生活しか知らずにいた二人は、旅の途中でさまざまな人と出会い、社会に満ちる矛盾や差別をはじめとする問題と直面してゆく。なぜ、両親と離れて暮らさなければならないのか。なぜ、パスを常に持ち歩かなければならない人々がいるのか。なぜ、黒人と白人で乗るバスが違うのか……など尽きることのない疑問。やがてナレディたちは、グレースと知り合い、“自由”を求めてデモを起こした子どもたちの悲劇を知るのである。

 訳者のあとがきには、読者である少女の言葉がこう記されている。“わたしたち子どもだって、この世界でおこっている本当のことを学びたい。どうしてそれを制限するのでしょう? わたしたちが早く知れば知るほど、わたしたちは知性的な強い人間になる。それが、この世界を平和にする方法なのに”と。人として当然のはずの営み、権利。それすらも奪われていた人々の声に耳を傾けること。アパルトヘイトに限らず過去の過ちを知ることで、わたしたちは何かを得ることができる。何かが変わり始める。それはささやかなものかもしれない。けれど、一人が知ることによって「知る」は広がり始めるのだ。そうしていつしか大きな「知る」となり、本当の平和というのがいつか訪れるかも知れない。

4378014777ヨハネスブルクへの旅
ビヴァリー・ナイドゥー もりうち すみこ 橋本 礼奈
さ・え・ら書房 2008-04

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2007.11.13

空から兵隊がふってきた

20071109_020 自分が選ばなかった、選ぼうとしなかった選択肢に、わたしはもっと目を向けるべきなのかもしれない。歳を重ねるほどに少なくなってゆく選択肢にまみれながら、ふとそんなことを思ったのは、今回、ベン・ライス著、清水由貴子訳『空から兵隊がふってきた』(アーティストハウス)を読んだからである。この短い物語の中には、いくつもの選択肢が浮上する。兵士たちを受け入れるか、受け入れないかにはじまって、さまざまな選択肢が。そして最終的には、生か死か、過去か未来かというようなものに結びついてゆく。物語は、そういう人間の本質に迫る問いかけを含みつつ、シュールに展開し、何とも不思議な読後感を残すのだった。

 男の子のような少女・ライダー。彼女は、母親と美しい姉と三人暮らしをしていた。ある日のこと、突然、大空からピンクのパラシュートで兵士たちが庭に降りてきた。それも15人。彼らは正体を隠したまま滞在することになり(何しろ機密事項!)、父親が出ていったばかりの女所帯の一家に違う色をもたらすことになるのだが、何やらどこかがおかしいことに、ライダーは早々と気づいてしまう。母親は、常識や魅力、規律、節操の整っている兵士たちとは正反対の、男性(父親)しか知らないからだと、ライダーを諭すのだが…。物語は、予期しなかった展開と結末へと向かってゆくのだった。大人のための、シュールでファンタジックなストーリーである。

 また、この物語。前作の『ポビーとディンガン』同様に、幻想的な部分と現実とが混ざり合った物語でもある。今までシュールさばかりを強調してしまったが、物語の語り口は、ちょっと生意気な、男の子っぽい女の子のライダーであるから、思わず読みながらふふっと笑ってしまう場面だってあるのだ。また、前作同様に、キュートな物語であると言ってもはずれていないと思う。そして、これまた前作同様に、この物語も映画化されているらしい。あのシュールさ(ネタバレになるので、詳しくは語れないのが残念だが)と可愛らしい部分とが、どんな映像になるのか、ぜひ観てみたいと思う。

 ≪ベン・ライスの本に関する過去のレビュー≫
  『ポビーとディンガン』(2005-10-22)

490114295X空から兵隊がふってきた
Ben Rice 清水 由貴子
アーティストハウスパブリッシャーズ 2002-12

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2007.10.24

ヘヴンアイズ

20070811_007 すべてはそう悪いものじゃない。きっと、この場所も。きっと、ここにいるわたしも。そして、今日という日も。たとえ、今目の前に広がる世界が明日には揺らごうとも。そんなことをふいに思い立ったのは、デイヴィッド・アーモンド著『ヘヴンアイズ』(河出書房新社)を読んだからである。孤児院を脱走して、筏で川を下る三人の子どもたちを描いた作品である。子どもたちは真っ黒な泥が広がるブラック・ミドゥンで座礁し、手に水かきのあるヘヴンアイズという女の子に出会う。女の子は、おかしな行動をとる老人と共に、崩れかけた倉庫や工場の並ぶ一画で暮らしていたのだった。子どもたちはそこで過ごし、いくつもの不思議な体験を通して、自分自身や他者を見つめてゆく。

 物語は、子どもたちの心に真摯寄り添いながら、彼らに何らかの気づきを与える展開になっている。もちろん、著者は決してきれい事を並べているわけではない。それは熱すぎず、冷たすぎず、心地よい刺激でわたしにも迫ってきたのだった。そして、すっとわたしの中に入ってきたかと思うと、もぞもぞっとうごめいて耳打ちしたのだ。「大丈夫。大丈夫」と。その、あたたかでやわらかな声に誘われるようにして、わたしの手は物語のページをめくり続けた。これまでのたくさんの悲しみも、たくさんの罪も、何もかもをひっくるめて、すべてを許されたような心地になりながら。そうして気づけば、ほろりとわたしは涙を流していたのだった。

 物語の中でも、語りを努めているエリンが、亡くなった母親と繰り返し対話している場面が印象的である。もうずいぶんと遠い記憶。それも、想像上にしかないかもしれない、淡くも切ない記憶である。そういう記憶をたびたび手繰り寄せることに対して、人は否定的な意見を持つかもしれない。或いは子どもっぽいだとか、感傷的だとか、愚かだとか言うだろうか。けれど、そうすることで救われる思いがあることに、そうすることで日々を繋げることに、この物語を読むと気づいてしまうのだ。そして自分自身にもそういう類の記憶が、いくつも存在していることに気づかされるのだった。明日を迎えるために。明日を生きるために。

4309203841ヘヴン・アイズ
デイヴィッド アーモンド 金原 瑞人
河出書房新社 2003-06-20

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2007.08.27

夢みるピーターの七つの冒険

20070825_037 ほろほろと甦る愛おしい記憶。あの時の光景、あの時の感覚、そしてあの時抱いた思い。哀しくて切なくて、それでいて甘酸っぱい。子どもでいることにも、大人になることにも怯えていた、ひどく憶病だった頃のこと。わたしは確かに、あの時成長の真っ只中にいたと思うのだった。ちょうど思春期を目前に控えて、とびきり夢中に日々を過ごして。イアン・マキューアン著、真野泰訳『夢みるピーターの七つの冒険』(中公文庫)は、子どもから大人へと成長を遂げる時期の少年を主人公にした物語である。夢見がちな少年の想像力は逞しく、かつて子どもだったわたしたちの記憶をありありと甦らせ、心地よく子ども時代に浸らせてくれる。

 この物語の主人公・ピーターの視点は、ひどくやわらかい。それを支えているのは、彼の豊かな空想力・想像力というものである。夢見がちな少年は、ことある事にその世界にどっぷりと浸り、なにげない日々をより楽しいものへと変える力を持っているのだった。妹の人形たちにいじめられてしまったり、飼っている長老猫と体を入れ替えたり、消えるクリームで家族を消してしまったり、泥棒をつかまえ損ねてしまったり、赤ん坊と入れ替わってしまったり、未来の自分になってみたり…。そして、世界が自分の夢にすぎないのだとしたら、世界で起こるすべてのことは、自分が引きおこしているのではないか…という壮大な想像までしてしまうのだ。

 その中でもとりわけ印象的なのは、ピーターが未来の自分になる最後の章である。ここでのピーターの視点は、大人の世界と子どもの世界両方にわたっており、その狭間で揺れる微妙な心の変化をつぶさに伝えてくれている。子どもから見た大人の姿というもの。大人から見た子どもの姿というもの。そのどちらにも属さないでいる、微妙な存在の自分自身をも。確かに。鮮明に。そして、大人の年齢になった今だからこそわかる、楽しさみたいなものをとびきり愛おしくも思わせてくれる展開なのだ。そうして、いつからか、いつのまにか大人になってしまった自分自身を大切にしたい気持ちが、不思議とすくっとわいてくるのを感じたのだった。

≪イアン・マキューアンの本に関する過去記事≫
 『アムステルダム』(2007-02-15)
 『セメント・ガーデン』(2007-07-02)

4122046017夢みるピーターの七つの冒険 (中公文庫)
Ian McEwan 真野 泰
中央公論新社 2005-10

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2007.08.23

ビロードのうさぎ

20070820_033 本物になること。それは、心から愛されることで叶う夢。子ども部屋のおもちゃたちは皆、男の子が自分を遊び相手に選んでくれる日を待ち望んでいるのだ。いつしか本物になるために。子ども部屋の住人の中で最もかしこいウマはいう、「ほんものというのはね、ながいあいだに 子どもの ほんとうの ともだちになった おもちゃが なるものなのだ。ただ あそぶだけではなく、こころから たいせつに だいじにおもわれた おもちゃは ほんとうのものになる。たとえ そのころには ふるくなって ボロボロになっていたとしてもね。おまえさんだって そうなるかも しれないよ。子どもべやには ときどき まほうが おこる ものなのだ」と。

 こんなふうにして始まる、ぬいぐるみのうさぎの物語は、1922年に初版が刊行されて以来、多くのこどもたちを魅了し続けてきた。マージェリィ・W・ビアンコ原作、酒井駒子絵・抄訳『ビロードのうさぎ』(ブロンズ新社)は、センチメンタルな古典名作を新たに甦らせ、ここにこうして佇んでいるのである。やわらかく滑らかな文章は、語りかけるように綴られており、読み手の心にすっと染み込んでくる。また、美しい絵は、物語にあらたな息吹をもたらし、ただただうっとりするほどに愛らしく、うさぎの存在感を際立たせている。そして、黒色によって引き締められた場面の一つ一つが、神秘的にもリアルにも見えるのが興味深いところである。

 描かれる「本物」になるまでの過程は、決して平坦なものではない。ときとして子どもは残酷であり、それに輪をかけたように大人はもっと残酷であるから。たかが、ぬいぐるみ。そんなふうに思って手放してきたいくつものおもちゃを思うとき、この物語はひどく胸を刺すものへと変わってゆく。大切に、大事にしなかった多くのもの。きっとそれは、ぬいぐるみに留まらないはずだ。書き損じた紙一枚にしたって、朽ちた鉛筆一本にしたって、一度読んだきりになっている本にしたって…同じことではないだろうか。わたしは、そういうありとあらゆるものの扱い方を省みて愕然とした。このままではいけない。絵本を片手に、危機感を募らせたのだった。

4893094084ビロードのうさぎ
酒井 駒子
ブロンズ新社 2007-04

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