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2012.02.22

本屋さんに行きたい

Ksduhfkdjhfo 街の本屋さんは次々と姿を消してゆく時代にあって、今書店業界は大変な様子。わたしの住む町にも今、一軒も本屋はない。合併したものの図書館すらない町なので、田舎の町というだけなのかもしれないが、本好きにとってはこういう状況下にある限り、インターネット書店に頼らざるを得ない。お隣のお隣の大きな街まで行っても、まともな品揃えの本屋はないから、本好きには寂しい限りの時代になってしまったのかもしれない。そんな中、小さいながらもこだわりを持ち、個性的なユニークな15の新刊書店、古書店、ブックカフェを紹介した本を読んだ。矢部智子著『本屋さんに行きたい』(アスペクト)である。ページをめくるほどに、本好きにはたまらぬ夢のような本屋が並んでいる。

 世の中に溢れるたくさんの本の中から、自分たちのよいと思う本だけを選び抜いて、自分たちの思い描くとおりに本棚に並べ、特色あるディスプレイにし、店構えもふつうの本屋とはどこか違う佇まい。本のつくり手と読み手がつながるような、サロンのような、ギャラリーのような、くつろげるカフェのような、書店という枠にとどまらない自由な空間をつくり出している。本は買うものでも、読むものでもあるけれど、それ以上に楽しむものだということを教えてくれるような空間が広がっているのだ。この本に紹介されている本屋さんへ行けば、読書を楽しむ幅が今の何十倍も広がって、本との本当の意味での付き合い方を学べるのではないか、という気持ちにすらなってくるほどである。

 そこへ行くだけで、そこに佇むだけで、もうそれだけで、読み手は本の虜になる。その場所へ行ってみよう、という好奇心もふつふつとわいてくる。品揃えの多さでいったら、もちろんインターネット書店にはかなわないだろう。けれど、実際に手に取り、手触りを確かめ、はっとするような新しい出会いをする。そんな運命が待っているような気がしてならない。その本屋さんを訪ねるために、旅をしたくなるような気さえしてくるのだ。訪れた人が新しい作家や本を知るための、ささやかなきっかけをつくる手助けをしたいという、控えめながら強い気持ちを感じる。そんな静かに熱い本屋さんばかりである。そこを訪れる価値が確かなものとして心の奥深くに残るような、そんな本屋さんばかりだ。

 「人がつながる本屋さん」、「空間を楽しむ本屋さん」、「あたらしい古本屋さん」、「街と生きる本屋さん」、「もっと!本屋さん」という5章からなり、そのほかコラムとして本屋さんではないけれど、さまざまなかたちで本を楽しめる場所も紹介している。千代田線根津駅根津メトロ文庫や日本科学未来館、目黒シネマ、キッズデザインライブラリーなど、どれもそれぞれにユニークな試みをしていることがわかる。本のある暮らしを送るために、本のある休日を過ごすために、本のある日常を見出すために、大型書店やインターネット書店では味わえない思いを満たすために、本屋さんへ行こう。本屋さんへ足を運ぼう。そういう気持ちを奮い立たせてくれる魅力溢れるガイドブックとなっている。

475721670X本屋さんに行きたい
矢部 智子
アスペクト 2009-04-27

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