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2008.07.21

わたし恋をしている。

20070409_018 恋とは、実はひとりでするものなんじゃないだろうか。ひとりであれこれ思い悩んで、ああでもないこうでもないと悶える。そうして、誰かと心から繋がれないこと、自分との趣味趣向の違いに堪えて、どこかで妥協を余儀なくされる。それでも寂しがり屋のわたしたちは、誰かと一緒にいたいと切に願う。願わずにはいられない。完璧なる相思相愛なんて、奇跡のようなものだ。益田ミリ著『わたし恋をしている。』(MF文庫、メディアファクトリー)は、恋する女の子の本音を五・七・五の川柳と、エッセイとほのぼのとしたイラストで描いた一冊だ。等身大の女の子たちの真っ正直な思いは、どこか痛々しくもあるのだけれど、女の子ならばどのページにも頷けることだろう。

 わたし自身、恋にはかなり疎い方なので、描かれている場面に共感できたのは、片想いについての場面ばかりだった。思えば、わたしは、年がら年中片想いばかりしていて、恋愛というものに発展したことなど数えるくらいしかない。こっぴどくふられるつらさや、もどかしい片想い、自然消滅ばかりの体験ばかりなのだ。恥ずかしながら、現時点ですらまさに中学生並の恋愛レベルである。だから同年代の女の子たちが要領よく駆け引きなんかをやってのけて、見事恋を成就させるのばかりを見てきた。だからこそ、ひとりであれこれ悩む。ああでもないこうでもないと悶える。それでも誰かと繋がりたいから、まだどこかで諦めきれずにいるのである。

 エッセイにも登場する、よく別れ際に言う、或いはなかなか言えない「またね」という言葉。言えたとしても、一体いつ会うの?次の約束はしてくれないの?と、疑問は本音を言えば数多く残る。実際、しつこくしたら嫌われそうだし、「今日は楽しかった」とか「今日はありがとう」という、当たり障りのないメールをつい返信してしまう。相手がどう思ってくれたのかなんて、当人でなければ知るよしもないのだから。わたしは駆け引きなんて、大の苦手だ。それでも、また会いたい。たった一度きりで決めないで欲しい。そう願うのは、わたしだけではないはずだ。だから今日も思い悩む。ああでもないこうでもない、と。どこかにいるこれから出会う誰かと繋がりたくて。

4840123527〔MF文庫 ダ・ヴィンチ〕わたし恋をしている。 (MF文庫 ダ・ヴィンチ ま 2-1)
益田ミリ
メディアファクトリー 2008-06-21

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 ≪益田ミリの本に関する過去記事≫
  『上京十年』(2007-06-13)
  『女湯のできごと』(2006-03-23)
  『「妄想」はオンナの幸せ』(2005-07-11)
  『お母さんという女』(2005-01-24)

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