空から兵隊がふってきた
自分が選ばなかった、選ぼうとしなかった選択肢に、わたしはもっと目を向けるべきなのかもしれない。歳を重ねるほどに少なくなってゆく選択肢にまみれながら、ふとそんなことを思ったのは、今回、ベン・ライス著、清水由貴子訳『空から兵隊がふってきた』(アーティストハウス)を読んだからである。この短い物語の中には、いくつもの選択肢が浮上する。兵士たちを受け入れるか、受け入れないかにはじまって、さまざまな選択肢が。そして最終的には、生か死か、過去か未来かというようなものに結びついてゆく。物語は、そういう人間の本質に迫る問いかけを含みつつ、シュールに展開し、何とも不思議な読後感を残すのだった。
男の子のような少女・ライダー。彼女は、母親と美しい姉と三人暮らしをしていた。ある日のこと、突然、大空からピンクのパラシュートで兵士たちが庭に降りてきた。それも15人。彼らは正体を隠したまま滞在することになり(何しろ機密事項!)、父親が出ていったばかりの女所帯の一家に違う色をもたらすことになるのだが、何やらどこかがおかしいことに、ライダーは早々と気づいてしまう。母親は、常識や魅力、規律、節操の整っている兵士たちとは正反対の、男性(父親)しか知らないからだと、ライダーを諭すのだが…。物語は、予期しなかった展開と結末へと向かってゆくのだった。大人のための、シュールでファンタジックなストーリーである。
また、この物語。前作の『ポビーとディンガン』同様に、幻想的な部分と現実とが混ざり合った物語でもある。今までシュールさばかりを強調してしまったが、物語の語り口は、ちょっと生意気な、男の子っぽい女の子のライダーであるから、思わず読みながらふふっと笑ってしまう場面だってあるのだ。また、前作同様に、キュートな物語であると言ってもはずれていないと思う。そして、これまた前作同様に、この物語も映画化されているらしい。あのシュールさ(ネタバレになるので、詳しくは語れないのが残念だが)と可愛らしい部分とが、どんな映像になるのか、ぜひ観てみたいと思う。
≪ベン・ライスの本に関する過去のレビュー≫
『ポビーとディンガン』(2005-10-22)
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コメント
こんばんは。
今日は図書館に本を返却に行ったら閉館日でがっかりでした(苦笑)
遅くなりましたが、TB送らせていただきました。
今回は1回で受けつけてもらえた♪(笑)
ましろさんからも、ありがとう♪
ほんとに同じ日にこれを読むなんて
新刊でもないのにすご~~い♪
嬉しくなっちゃいました。
またこんな偶然あるとステキですね♪
投稿: nadja | 2007.11.14 20:02
nadjaさん、コメントTBありがとうございます!
図書館。せっかく出かけたのに残念でしたね。
同じ日に同じ本を読んで記事を書いて…
こんなことってホントにあるんですねー♪
改めて、びっくりです★
やっぱりnadjaさんも図書館本だったのかしら。
こういう偶然は、何度でも訪れて欲しいものです。
投稿: ましろ(nadjaさんへ) | 2007.11.14 21:55