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2007.10.21

冠・婚・葬・祭

20071021_005 わたしはことごとく、人生の節目というやつに縁がない。常に逃げ腰というべきか。面倒という気持ちが優先するというべきか。どうも周囲とは、二歩くらい出遅れているという気がしてならない。いや、事実出遅れているのだろう。要はこの世を生きる身構えができていない、甘ちゃんなのである。中島京子著『冠・婚・葬・祭』(筑摩書房)は、タイトルどおり、冠婚葬祭に纏わる4編の作品を収録している。わたしたちの日常の節目を描く作品はどれも心地よく染み入り、ふっと我が身を反省させる。また、わたしたちの日常の中に埋もれがちな、ささやかな変化や、そのときの心情というものを感じ取ることもできる。穏やかに展開する作品たちを読んでいる間、きっと誰もが時間の流れをゆったりと感じることができると思う。

 地方新聞の記者の過ちがもたらした、出来事と出会いを描いた「空に、ディアボロを高く」。引退したお見合いおばさんの、本当に本当の最後の仕事を描いた「この方と、この方」。社命により、一人の老女を葬式へと連れゆく「葬式ドライブ」。取り壊しを決めた家で、姉妹が最後のお盆をする「最後のお盆」。どの作品に対しても感じるのは、何事にも人の強い意志が不可欠だということ。人との出会いも、結びつきも、別れも、考えることも…。ただすれ違う人と、そうでない人との境目というものは、きっとそのあたりのことが関係しているように思う。わたしのように、逃げ腰だったり、面倒がったり、そういう意識では、二歩ぐらい周囲と遅れたって当然のことなのだろう。なにはともあれ、反省、反省のわたしである。このままではいけない…。

 ちなみに大辞林によると、冠婚葬祭とは“元服・婚礼・葬儀・祖先の祭祀のこと。古来最も重要とされてきた四つの大きな儀式”のことだという。

4480804102冠・婚・葬・祭
中島 京子
筑摩書房 2007-09

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