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2007.08.18

カボチャの冒険

20070109_022a ニッと鳴く猫がいて、そっと寄り添う猫がいて、膝でまどろむ猫がいて、わたしは本を読んでいる…これがわたしの理想的な日常の1コマだ。何を隠そう、猫が好きである。誰が何と言おうとも、猫が好きで好きで、好き過ぎて、ときどき猫しか見えなくなることもある。そして気がつけば、年がら年中猫の名前を連呼し、まどろみの中にいる猫にちょっかいを出している。これはもはや、猫にまみれた日常。誰にも止められやしない。そう、要は猫狂いなのである。そんなわたしにとって、猫と一緒の田舎暮らしを描いた、五十嵐大介著『カボチャの冒険』(竹書房)は、思わずニッとなる1冊だった。もう、にたにたと笑みを始終浮かべてしまうくらいの。

 物語は、東北の農村を舞台に展開する。畑を耕しては漫画を描いて生活する五十嵐氏の相棒は、三毛猫のカボチャ。カボチャは都会生まれながら、山暮らしの中で次々と野性的な部分を開花させてゆく。それを見守る五十嵐氏の視線は、どこまでもあたたかくどこまでも猫狂い的。カボチャの新たな行動に対して一喜一憂してみたり、カボチャとの根比べにあっさり負けてしまったり…。とりわけ、猫語に関する話では、もういくらわたしが猫狂いとは言え、笑ってしまうしかないエピソードが描かれているのである。きっと笑うしかないのは、わたし自身に思い当たる節があるからに違いないのであるが。とにもかくにも、猫狂い的に可笑しいのである。

 そして、この作品で魅力的なのは、猫らしい猫としてのカボチャの描かれ方だろう。とにかく猫なのである。それも、飼い猫的な部分と野性的な部分とを併せ持った、特別な猫としての。1歳にならないうちに都会と別れて田舎に来たカボチャは、野良猫と比べたらつくづく飼い猫に違いないのだが、飼い猫にしてみたら野性的な部分の強い猫である。視線一つ、伸び一つとってみても、その鋭さはとても煌めいて見える。わたしはそこにどうしてか、猫というものの美しさやしなやかさ、本能というものを感じずにはいられない。本来あるべき姿、という意味合いでの。猫が猫としてあるべき所以の。まさに猫的魅力が終結された姿だと思うのだった。

4812467217カボチャの冒険 (バンブー・コミックス)
五十嵐 大介
竹書房 2007-07-30

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コメント

カボチャの冒険、今アマゾンにオーダーしている途中です。先を越されてしまいました。(笑)読んだらブログにあげます。
竹蔵

投稿: 竹蔵 | 2007.08.19 23:41

竹蔵さん、コメントありがとうございます!
猫馬鹿ゆえ、飛びついてしまいました。
竹蔵さんのレビュー、楽しみにしてますね☆

投稿: ましろ(竹蔵さんへ) | 2007.08.20 05:40

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