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2006.12.30

なぜ勉強するのか?

20080824_005 人との出会い。それは、人生を大きく変えるものである。人に限らず、本との出会いも、同じことが言えるかもしれない。鈴木光司著『なぜ勉強するのか?』(ソフトバンク新書)を読んでまず感じたことは、そのことだった。塾講師や家庭教師をしながら、作家を志し、二人の娘を育てた著者ならではの論理は、人との出会いに根ざしたものだったからである。小さな頃、こんな先生と出会っていたら、勉強することに対する興味や考え方は、大きく違っていたことだろう。ただし、全部が全部頷けるものではないと言っておこう。人それぞれに感じ方、考え方が違うのと一緒で、納得できない部分も少々あるだろう。それでも、読む価値はある。“なぜ勉強するのか?”という問いに、はっきりと答えるためには。

 “なぜ勉強するのか?”その問いを、わたしは学生の頃、正直抱いたことがなかった。むしろ、“どうやって勉強するのか”について、小さな頃から考えていた。けれど、学校でも塾でも家庭でも、誰もそれについて教えてはくれなかった。「勉強しなさい」と言われても、その肝心の方法については、誰も教えてはくれなかったのである。だから、いわゆる勉強の方法のノウハウ本を読みあさったものだ。けれど、どの本にも書かれていることは違っていたし、どの方法もわたし自身にしっくり馴染んではくれなかった。それゆえ、高校生になると、もう自己流で好き勝手に思うままに自主学習したものだった。そもそも、必要最低限の出席日数しか、学校には通わなかったくらいのわたしである。

 その点、著者の場合は、随分と指導者に恵まれていたように感じられる。特に大学時代というものは、二人のよき指導者に恵まれ、その方法を応用して塾講師や家庭教師時代に実践しているほか、自分の子どもたちにもそれを行っている。それの主体となるのが、「理解力(読解力)」「想像力」「表現力」の3つの育成になるわけである。それを養うための過程が、勉強する意味であり、大げさに言えば、人としての義務のように語られている。そして、日本での教育の在り方というものについての問題点、欧米の教育との異なる点、取り入れるべき教育方法などなど、独自の考えが展開されてゆくのである。中でも、強調されているのは、自分の意見を持ち、それを表現するトレーニングについて、である。

4797333448なぜ勉強するのか? [ソフトバンク新書]
鈴木 光司
ソフトバンククリエイティブ 2006-12-16

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