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2005.08.27

コラージュな午後

20050815_148 柔らかな光りのこぼれる美しい表紙に惹かれて読み始めた、西村玲子・著『コラージュな午後』(ランダムハウス講談社)。不死身な人間になりたいくらいに、世の中がうんと楽しいと言う著者の、素敵な大人の時間の過ごし方に関するエッセイである。夏に完全に負けている(夏バテ&精神的な落ち込み)弱っちい自分を立て直すために、気ままにページをめくっていたら、予想外にはまっていた。写真、イラスト、インテリア、本の趣味…出てくるものが、いちいちお洒落である。“きどちゃってさぁ”などとぼやく私をも引きこむセンスは、謙虚さと優しさを感じさせるものだった。

 「夏の白」というタイトルのついたエッセイの中で、“白は雄弁である”という言葉が出てくる。今の季節、眩しい日差しの下ではとりわけ輝かしい。静寂でありながら力強い。そんな“白”に対する、ほろりとくるエピソードが語られている。短いながら、オチもあってよいのだ。“白”については、私も少々こだわりがある。特にインテリア。白をベースに、家具はナチュラルなタイプの木材のものを愛用。真っ白な部屋となっているのだ。なかなか心地よい部屋で、家族が寄り付いてうざったいくらいである。今後の計画としては、家具も完全な白のものに変えて、身も心も清くなること。そう、美白にも今以上に励まなくてはなりませぬ。

 何だかどうでもいいことを連ねてしまったので、ほろりとくる部分について少々述べておく。それは、著者がたびたび亡くなった友人のことを語るところである。さりげなくさらりと。悲しみよりも、懐かしさや温かさを感じさせるタッチで。単純に素敵だ。大人だ。そう思う。それから、私が一番心惹かれて夢中に読んだのは、本に関する部分だ。海外作品ばかりなのであるが、“これは絶対読むべきでしょう!”と思えるものだった。ネットでどんな内容の本なのか、どこから出版されているか、いつ出た本なのかなどを検索してみた。メモ代わりに下記に記録しておくことにする。このエッセイに載っていたのがきっかけで読んだのですよ…ということを忘れないように。

◎イアン・マキューアン著『贖罪』(新潮社)
 『アムステルダム』(新潮文庫、新潮クレスト・ブックス)『愛の続き』(新潮クレスト・ブックス)で知られる著者の長編。登場人物の心理や行動の描写が細かくてなかなかよいらしい。『アムステルダム』は、養老孟司さんが、オススメしていたはず。確か“変な小説”だと言っていた記憶がある。文庫化されているこの作品から読んで、好みだったら『贖罪』を読んでみようか…と考え中。

◎ティム・クラベー著『洞窟』(アーティストハウス)
 どこから眺めても美しいダイヤモンドのような完璧なサスペンス。“息つく暇もないとは、こういう本のこと”…そんな言葉を聞いたら、読むしかないでしょう。ただ、私はサスペンスには、あまり縁がない。読み始めても挫折してしまわないだろうか。“完璧”という言葉に、とても惹かれるのだが。今のところ、日本では2冊しか訳されていないオランダの作家の作品である。

◎アントニオ・タブッキ著『インドの夜想曲』(白水Uブックス)
 人間の根源的なことに触れながら、旅する気持ちが恋のようにときめく素敵な本。旅したいわけではないけれど、ときめくのは好きだ。アントニオと言えば、“バンデラス”な私は、著者の名前で既にときめきを感じた。著作はかなり多いので、はまったら長々と楽しめそうだ。白水Uブックスだけで、5冊。他の作品は『遠い水平線』『逆さまゲーム』『供述によるとペイレラは…』『レクイエム』など。

4270000473大人時間のすごし方 コラージュな午後
西村 玲子
ランダムハウス講談社 2004-11

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コメント

こんばんは。
先日はコメントありがとうございます。
たくさん本読まれてるんですね。
私は今年はなかなか読めなくて
久しぶりに今2冊図書館で借りています。
よかったら私のサイトでブログリンク
してもいいですか?

投稿: ゆうちゃん♪ | 2005.08.28 01:21

ゆうちゃん♪さん、コメントありがとうございます。
ブログリンク、とっても嬉しいです!
今後も宜しくお願い致します。

読書量は、多いのか少ないのか、自分ではよくわからないですが。うーん。
読む速度が遅いのが、もどかしい日々。
現在、図書館から12冊借りております。
全部読みきれないのに、つい借りてしまう性分です。

投稿: ましろ(ゆうちゃん♪さんへ) | 2005.08.28 16:26

はじめまして。イアン・マキューアン、私は『最初の恋 最後の儀式』から入りました。でも、オススメは『セメント・ガーデン』です。母子家庭の子供たちが、母親を亡くしたあと、母を地下室に埋めて、自分たちだけで生活していくうちに、やがて・・・・という物語です。私的には傑作なのですが。

投稿: 檀上りく | 2005.11.06 11:25

壇上りくさん、コメント&トラックバックありがとうございます。
はじめまして。おぉ、作家さんからだーっ!とびっくりしつつ。
イアン・マキューアン、参考にしたいと思います。壇上さんの作品にも興味津々です。

投稿: ましろ(壇上りくさんへ) | 2005.11.06 15:31

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