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2005.04.05

凛々乙女

guregure0021 最近、エッセイばかり読んでいる。“読むと気持ちが楽になり、元気が出てくるエッセイ”だという宣伝文句に惹かれて、小林聡美著『凛々乙女』を読んだ。「人間は思い込み次第だ」と胸に秘め、つつましくもドタバタな、つれづれなる毎日、周囲を巻き込みながら駆け抜ける著者の明るいカラッとした人柄と文章が何ともよい。女優として知られる著者の知られざる素顔も覗き見られるのも楽しいエッセイである。

 タイトルに使われている「乙女」という言葉。私も「まだまだ乙女」とブログのサブタイトルにこの言葉を用いているのだが、改めて言葉の意味を調べると、「わかいおんな」という意味と「わかい未婚のおんな。処女」という意味があるらしい。このエッセイが書かれた10年前の著者は、“ひとつふたつあてはまらないものがあるので、本の題名に使うのはいささか気がひけるのだが、ま、いっか”ということで『凛々乙女』に決定している。本人の思い込み、心意気ひとつでどんなにでもなり得るということで…。だから私も当分は「乙女」ということで。実は内心かなりほっとしている。ありがとう、小林さん。

 このエッセイ本の中で一番印象深かったのは「魔性のナチュラルギャル」である。実はかなり化粧好き&香水好きという著者。著者をテレビで見たことがある人なら、まず「えーっ?」となってしまうことだろう。あのナチュラルな雰囲気の方が、ホントに化粧好きなのだろうかとエッセイを読んだ後もまだ信じられないくらいである。きっと仕事がない日はすっぴんでいるに違いない…とか、女優さんなのに飾り気のない方に違いない…とか、そんなイメージを勝手に持っていた私…。著者は周囲の人が自分に対してそのように思っていることを知りつつ、“化粧のことはよくわからないし、匂い関係、結構苦手なのよねー”と嘘をつくそうである。そして、男性に“自分の目の前の女のコの、今の顔は、ホントの顔じゃないですよー。”と忠告までしている。そう、女の子は大抵みんな、ナチュラルに見えるように完璧に化粧するものですから。

 他にも、女の子の隠された事実をズバリ言っているような「ウータンへの愛」がいい。かなり小さい頃から、ぬいぐるみがあまり好きではなかった著者(実は私もあまり好きではない)。どうしても子供という立場上、逃れられなかったために2つだけ持っていたという著者。一人暮らしになってからは、ぬいぐるみはひとつもない大人のオンナの部屋に住んでいたところ、友人からもらったお土産のオランウータンのぬいぐるみをきっかけにして、いくつか増えてしまった。それがなかなか本物にそっくりで、バランスもよくて、毛もふさふさしていて…けれども、あからさまに迷惑といった表情でソファーにドスンと座らせることに。すると、飼い猫(名前・お父っつぁん)がソワソワとウータンのまわりにまとわりつきだしたのである。クンクンと匂いを嗅ぎだし、ボディをもみもみし始め、喉なんて25メートル離れていたって聞こえるくらいに、「ガルルルルルルッ、ガルルルルルルルッ」と絶好調に響きだし、目はトローンとうつろであるとか。猫までもこんなに和ませる(燃えさせる?)ぬいぐるみというヤツ、一体その魅力とは……?私も考えなければなりますまい。

4877286020凛々乙女 (幻冬舎文庫)
小林 聡美
幻冬舎 1998-06

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