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2004.12.20

更級日記 NHKまんがで読む古典

 今から16年以上も前、NHKの教育テレビ(当時は総合テレビ)にて「まんがで読む古典」という番組があった。清水ミチコさんが司会で、優しく講義してくれる先生を招いて、アニメと俳優さんの芝居をまじえて、わかりやすく古典をお勉強できる番組であったように記憶している。当時の私は小学生。古典はまだまだ未知の世界であった。知っていたお話は竹取物語くらいであったと思う。番組放送の中で一番印象的であった作品が、菅原孝標の女(すがわらたかすえのむすめ)作、「更級日記」であった。何故かと問われたなら、こう即答する。「主人公が自分と似ていたから」と。

 番組放送後、しばらくして羽崎安実著「NHKまんがで読む古典2 更級日記」が出版され、私は迷わず購入した。その本によると、平安時代の女性は家系にも名前が残らずに全部「女子」ですまされてしまうことがわかった。誰それの娘、母、妻…という感じに。なので、この本の中では主人公は「サラちゃん」となっている。彼女の祖先は、学問の神様として知られる菅原道真公。サラちゃんの母の姉は「蜻蛉日記」の作者えある藤原の道綱の母。学者の家系であるのだ。物語の大好きな平安の文学少女サラちゃんの乙女の日記がこの「更級日記」。憧れの都で、源氏物語に出てくるような素敵な貴公子様と恋がしたいと夢見るサラちゃんの成長がかいま見れる。

 たくさんの別れや悲しい出来事、初恋…それらを乗り越え少しずつ大人へと成長するサラちゃん。亡くなった姉の子供の世話や家事におわれて忙しくしていたり、宮仕えに出てみたりもする。そして、おヒマをもらって実家に戻り、厳しい宮仕えに出ても、源氏物語のヒロインになれるわけではないのだと思う。もう、夢を見る頃は終わったことも…。

 そして季節は過ぎて、結婚をするサラちゃん。文の交換だけで、結婚当日になって初めての顔合わせ。サラちゃんは、年老いた両親の面倒をみなくてはいけないこと、自分が平凡な女であること、大人になることについて思いを巡らす。彼女の結論は「あきらめること」であった。少しずつ夢を切り捨てて、大きな夢の代わりに小さな幸せを手に入れようと思う。結婚相手を愛そう、愛さなきゃいけない、きっと誰よりも愛せると思うのである。何ともせつない乙女心。

 私もそろそろ現実を見据えなくてはいけない年齢である。やっぱり、大人になることはあきらめることなのだろうか…?あきらめなくては幸せはつかめないのだろうか。平成に生きる私も平安に生きたサラちゃんも、考えていることや悩みは似ているのかもしれない。いつの時代も生きることはムツカシイのだな。

4834273547更級日記 (ホーム社漫画文庫―NHKまんがで読む古典 (特5-2))
羽崎 やすみ
ホーム社 2006-03

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