« 覆面作家は二人いる | トップページ | 更級日記 NHKまんがで読む古典 »

2004.12.17

働きマン

1000030_gr 「ちょっと気怠いけど、今日も精一杯過ごそう」これが私の毎日心でつぶやく言葉だ。毎晩のように悪夢にうなされて「ぎゃおぅー!」と叫び声をあげてしまう私。家族は私の叫び声で朝を迎え、あまりにも悲痛な叫び声のときだけ心配してくれる。最近はめったに心配されなくなりつつある…さびしい。「トラウマです」「絶対PTSDです」と言いたくなるのを日々我慢している。そんな「うぅ。今日も気怠い」的な気持ちを根っこのところから立て直してくれたのが、安野モヨコ著『働きマン』である。モーニング連載の漫画なので、お仕事頑張ってるお父さん世代向けなお話ではあるが、青年誌でも安野作品が読めるとは思わなかった。働いていない私も何度も繰り返し読んでいる。最近のお気に入り本である。社会に出て働かねばと即思わせる程、働くことはかっこいいと思えてしまう。働いてこそ人間のような…。働けていない自分が情けなくもあり、働いていないからこそ、登場人物たちのそれぞれの仕事に対する姿勢や考え方や生き方に多くを学んだ気がした。

 内容は7話からなり、女の働きマン、おいしいところを持ってきマン、張り込みマン、ラーメンマン、あやまりマン、振り向きマン、お姫さマンが収録されている。戦隊ヒーローモノのような、説明しよう「働きマンになると血中の男性ホルモンが増加して通常の三倍の速さで仕事をするのだ。その間、寝食恋愛衣飾衛生の観念は消失する」という仕事モードがオンになり男スイッチの入る編集者の松方(女)の丁寧な解説が気に入ってしまった。恋人とはすれ違い、仕事人間の彼女は、猛烈な集中力で仕事をこなしている。仕事したなーって思って死にたいという彼女。それに相反する仕事しかない人生だったと思って死ぬのはごめんだと考えている田中。1話から引き込まれる。そして、考えさせられる。

 あたたかく部下たちを見守る編集長。部下に編集長的な言葉をかけて、おいしいところを持っていくアウトドア派な成田さんもいい味出ていて好きな登場人物である。彼は、何事もバランスだから余裕をなくすと自分を見失う…と休日はのんびり自然と戯れるほのぼの系である。特に私が好きなのはあやまってばかりの松方のちょっと頼りない彼氏の新二。目の前のことをひたすら全力でこなす松方や仕事現場の人に厳しく色々言われつつ、自分のしている仕事に疑問を抱き迷い悩むのである。好きなのは、登場人物の中で一番人間的に思えた人物だからだろうか。彼は異動が出てから、「考えているヒマがあったら、どんどんやりゃよかった…」そう思い、いつから自分はこうなったのだろうとまた考える。「やりたいことをやれないとわかったときからだろうか…」と。そして、「後悔する」ようなやり方をしていたことに激しく後悔する。人間的過ぎるくらい人間的である。

 現段階では、私は働くことは色々な諸事情のために当分は無理なので、せめて後悔しない生き方を心がけようと思った。気怠くても精一杯毎日を生きること、日々奮闘すること、これが今の私の目標である。

4063289990働きマン (1) (モーニングKC (999))
安野 モヨコ
講談社 2004-11-22

by G-Tools

人気ブログランキングへ
にほんブログ村 本ブログ←宜しければクリックお願い致します。

|

« 覆面作家は二人いる | トップページ | 更級日記 NHKまんがで読む古典 »

70 漫画本」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/55029/2298351

この記事へのトラックバック一覧です: 働きマン:

« 覆面作家は二人いる | トップページ | 更級日記 NHKまんがで読む古典 »