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2004.12.28

Apri*kiss

 全編メール形式で書かれた桜井亜美著「Apri*kiss」。発売されたばかりの頃は“こういうのは読めない”とかたくなに思っていたのに、急に読みたくなってしまった。10代の頃から読み続けている桜井亜美さんの本だから、いつかは読むだろう読むべきだろうと思っていたけれど…こんなに早く読む日が来るとは思わなかった。たぶん、「電車男」のヒットぶりに感化されたのかもしれない。

 女子高生のYuを中心とした、メールのやりとりでストーリーが始まる。幼馴染みの元彼・Takumi、親友で元彼の彼女・Rika、バイト先の先輩・Saeba、元彼のメル友・NINAらが登場する。Yuの元に届いた匿名のApri*kissから「あなたのことは何でも知っている」という予言めいた不気味なメールに翻弄される人々。Yuのことを知り過ぎているApri*kissとは一体誰なのか?どうしてYuを選んだのか。目的は何?バラバラに見えていた登場人物たちが、一直線上に並んだとき、ひとつの輪ができたとき、答えが見つかる。

 でも、よく読んでみると謎だらけ。どうして匿名のメールに返信できるの?どうして携帯メールの設定なのにそんなに長文メールが打てるの?とか。女子高生なら、もっと違う言葉遣いでしょう、とか。絵文字少ないでしょ、とか。でもまあ、「電車男」よりは読みやすいから、そこのところは許してしまいましょう。乙女的にはこちらの方がよいかと。

 この小説の中で、心にずしんときた言葉を書いてみると…
 「憎むってことは必要だってことなんだ」By オカザキ
 「誰よりもお前を愛している。それゆえに、お前を憎む」By Apri*kiss
憎むという感情が愛と繋がっているなんて、考えたことがなかった私にとってある意味ショックであった。もしかしたら、私が愛を感じている人物は憎く思っているあの人なのだろうか…などと勝手に妄想してしまった。

 私にとっては魅力的に思えた登場人物・NINA。彼女は精神的な問題と薬物中毒を抱える胡弓奏者。私の想像上ではかなりの音楽的才能の持ち主となった。芸術面で自分を表現できる人間が私はかなり好きである。それに加えて自分とだぶってみえる精神的な問題…彼女のようにジャンキーではないものの(ある意味ジャンキー?)、抱える闇が似ていた気がした。しかも、Yuの目指している大学で学びたい臨床心理は、私が学んだものだし。そうそう、確かに倍率高いよ。人気学科だよ。苦労したよ。これから大変だよ…なんて、言いたくなってしまった。ぜひ続編を読みたいと思ってしまった。

4344405498Apri*kiss (幻冬舎文庫)
桜井 亜美
幻冬舎 2004-08

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