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2004.11.03

泉鏡花賞・ブラフマンの埋葬

 今日(11月3日)の朝日新聞朝刊などより…

 「しとしと水が流れている印象がある」五木寛之氏は、小川洋子著『ブラフマンの埋葬』をそう評した。多くの者が大声で自己主張する時代に、小川洋子の小説の静かな世界が注目されている。繊細で印象的な世界は、新人賞から16年間健在である。

 「ブラフマンの埋葬」は傷を負った小動物と主人公のかかわりを通じて作者の死生観を表現した作品である。選考委員の村松友視氏は「ガラス細工のような、光あふれる文学というイメージの作品だ」と述べている。

 以前、このブログで取り上げた「薬指の標本」に刺激された女性監督による映画も、来春、完成するらしい。小川洋子の小説の世界が、どのように映像化されるのか楽しみである。翻訳者のローズマリー・牧野ファイヨール氏によれば、「生きるということは、どこかに恋人や記憶などの欠落や喪失を抱えている。オガワは、その場所を指示するだけだが、奥には普遍的なヒューマニズムがある」という。また、日本人には珍しい「宗教性」も魅力の1つと分析している。

 小川洋子の作品を愛し、全てを収集している1ファンの私には、嬉しいニュースであった。「ニューヨーカー」掲載やフランスでの翻訳本増加など、欧米にも羽ばたく繊細な小川洋子の世界。今後の活躍にも期待している。

4062123428ブラフマンの埋葬
小川 洋子
講談社 2004-04-13

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コメント

静謐の中の死。昔どこかで読んだような気がした。この感覚は確か村上春樹の『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』を読み終えたときの感覚に似ています。ちょうど20年ぐらい前でなんだか泣き出したくなったのを昨日のことのように覚えています。小川洋子さんは春樹さん大好きだから当然なのかな。繊細でしなやかな文章とても素敵なブログですね。

投稿: Haru | 2005.02.13 20:33

コメント、ありがとうございます。
一番手を抜いた記事に対して、こんなコメントをいただいてしまって申し訳ないです。村上春樹さんと小川洋子さんには、共通点が多いかもしれませんね。でも、なぜか私は村上氏の小説が苦手です。ときどき挑戦しているんですが…3冊ほどしかまだ最後まで読めていません。『世界の終り~』、再挑戦してみようかと思います。

投稿: ましろ(Haruさんへ) | 2005.02.13 23:08

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