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2004.10.22

85枚の猫

20050511_011 伝説の写真家と呼ばれるイーラ(YLLA)の猫写真の古典的名作であると言われている『85枚の猫』(原題「85CHATS」)。1952年に、アメリカ、スイスなど5カ国で刊行され、1955年の没後も彼女の写真集は世界中で刊行され続けている。日本では、1996年に刊行された。

 猫好きな人はもちろん、そうでない人にとってもイーラの写真は衝撃だろう。この写真集は、躍動感に満ち溢れていて思わず吸い込まれそうになる。主に、ペルシャ、アメリカン・ショートヘア、アビシニアン、シャムの猫たちの写真が多いのだが、どの猫も存在感が圧倒的だ。人間に負けない強い視線の多いこと…。そんな中、無防備で無邪気に眠っていたり、空を飛んで(?)いたりする姿もちゃめっけたっぷりでとても愛らしい。でも、私はやはり強い目の子が好きだ。

 この写真集と出会ったのは16のときだった。ふと見つけた父の古い一眼レフに夢中になり、いろいろな写真集を集めて眺めていた。それまで目指していた音楽の道をきっぱり諦めて、自分探しの真っ只中に、カメラと出会ったのだ。その一眼レフは、何もかもが旧式で、全ての設定を手動でやらなければならなかった。操作が難しく、24枚フィルムの中で、1~2枚いい出来があれば良い方だった。ロバート・キャパやこのイーラの写真集を見てからは、モノクロの写真ばかりを撮るようになった。被写体は、主に2匹の愛猫。一体何枚かわいいしぐさを追いかけて撮っただろうか…17の頃、本格的に写真を学びたいと思うようになっていた。けれど、家族も担任の先生も私の進路に反対した。不景気だったことやその他いろいろな理由があってのことだったが、私はそれ以降、写真を撮らなくなった。

 最近になって、また写真を撮るようになった。今度はデジカメで。失敗したら手軽に消せるし、お金がかからない。けれど、出来ばえを見て思う。「あの頃の写真の方がずっといい」と。それがなぜなのか、私にはわからない。若さゆえなのか、感受性ゆえなのか…。ときどき、イーラの写真集を見ながら思う。「私は自分で自分をダメにしながら、生きてしまったのだろうか…」と。才能は、誰でも必ず1つはあるものだと思うから。私はまだ、自分の才能がわからない。見つけるには、もう遅いだろうか…

410534101485枚の猫
イーラ
新潮社 1996-11

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